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By Emma Hayes

May 18, 2024news作業着、自由の象徴、反骨精神、そしてサンローランを魅了……デニムほど時代を象徴してきたアイテムはないと言えそう。そして、2020年代に入り、デニムは環境問題と対峙してサステナブルなウエアとして急速に前進している。時代とともに進化し続けてきたデニムのストーリーをファッションアイコンとともに振り返ってみよう。INDEX60年代:作業着からファッションへ70年代:“メッセージ”になった80年代:デザイナーたちとの関係深まる90年代:古着のような経年変化を味わう2000年代:セレブスタイルの象徴はローライズ2010年代:目まぐるしく変わるデニムトレンド2020年代:サステナブルへ60年代:デニムは作業着からファッションへ象徴的な出来事:ケネディ大統領暗殺、ベトナム戦争ファッション・キーワード:モッズ、ヒッピーデニム・トレンド:タイトなホワイトジーンズ、ベルボトム「リーバイス646」Getty Images1961年、リラックスするマリリン・モンローと作家のアーサー・ミラーもともと鉱夫の作業着だったデニムがファッションアイテムとして取り入れられるようになったのは、1950年代後半頃。イギリスでモッズが大流行した60年代前半に入って、いよいよデニムがファッションシーンを動かす。モッズたちは1860年頃生まれた「リーバイス501」よりも、新しく発売された細身の白いジーンズ「ホワイトリーバイス」「リー・ウエスターナー」を好んだという。60年代半ば、リーバイスは年間で1億本のジーンズを売上げたそう。60年代後半アメリカでは、ビートニクの影響やベトナム反戦運動・公民権運動などの社会運動などを背景としたヒッピームーブメントが沸き起こる。1969年に発売されたベルボトムジーンズの「リーバイス646」は、ヒッピーファッションの象徴に。1960年:マリリン・モンローGetty Images映画『荒馬と女』でのマリリン・モンロー。ようやく、デニムがファッションとして取り入れられた頃。白いシャツにハイウエストのデニムの裾をロールアップ、足元にはブーツをのぞかせて……、このルックってオリジナルはモンロー⁉1965年:イングリット・バーグマンGetty Imagesダンガリーシャツの袖をロールアップした女優のイングリット・バーグマン。すでに大女優だったバーグマンの、カジュアルなデニムスタイルが新鮮。1965年:ジェーン・フォンダGetty Imagesコメディ西部劇『キャット・バルー』でのジェーン・フォンダ。ゴワゴワしてそうなハイウエストのデニムをロールアップしてブーツをコーディネート。まさに当時のトレンド、カウボーイスタイル。70年代:デニムは"メッセージ"になった象徴的な出来事:ウーマンリブ運動、オイルショックファッション・キーワード:パンク、ボヘミアンデニム・トレンド:切りっぱなし、ダメージGetty Images1969年、ローリング・ストーンズのコンサート会場で。ヘアスタイル、ファッション、そして裸足の足元がヒッピースタイル。60年代後半に起きたヒッピームーブメントが70年代前半へと続いたあと、デニムはハイファッションのシーンに登場。デザイナーたちがデニムを使いはじめる流れを作ったのは、イヴ・サンローラン。「ジーンズを私が(最初に)世の中にだすことができなかったことが残念でならない」と語り、1970年頃、デニム素材をプレタポルテのコレクションに採用。また、ヒッピームーブメントと入れ替わるように、パンクブームが到来。破れ、引き裂かれたダメージデニムは、パンクの反骨精神をカタチにした。サイケデリックにボヘミアン、パンク、グラムロック……、ファッションが多様化した70年代には、いずれの中心にもデニムが存在し、音楽・アート、さらには生き方とも深く結び付いていた。1972年:ブリジット・バルドーGetty Imagesブリジット・バルドー(左)とクラウディア・カルディナーレ。ハイウエストのブルーデニムに、ひざ下ぎりぎりまでロールアップしてロングブーツをコーディネート。ロールアップには星飾り。約40年後の2015年、ジジ・ハディッドは星の装飾デニムを着用していて、デニムと星は好相性!1974年:ジェーン・バーキンGetty Images70年代おしゃれアイコンといえば、もちろん、ジェーン・バーキン!この時代を象徴する切りっぱなしのブーツカットデニム、そして、マルシェバスケットが自由なムード全開。1976年:ファラ・フォーセットGetty Images一世を風靡したテレビドラマシリーズ『チャーリーズ・エンジェル』でのファラ・フォーセット。当時は、サーフィンブーム。日焼けした肌とデニムのショートパンツはベストフレンド。80年代:デザイナーたちとデニムの関係が深まって象徴的な出来事:ベルリンの壁崩壊、チャールズ皇太子とダイアナ結婚ファッション・キーワード:ボディコンシャス、ヒップホップデニム・トレンド:ストーンウォッシュ、ケミカルウォッシュGetty Images1985年、ティエリー・ミュグレーのコレクションに登場したデニムブルック・シールズが「私とカルバン(ジーンズ)の間には何もない」というキャッチコピーで世界中にセンセーションを巻き起こしたのが、80年代前半のこと。インディゴブルーの細みストレートのシルエットは、デニムに“美しさ”と“セクシーさ”という新しい意味を与えて、大ヒット。以降、アルマーニ、ゴルチエ、モスキーノ、アライヤ、ラルフ ローレン……、90年代半ばにかけてファッションデザイナーたちによって、“デザイン”されたジーンズが続々登場した。こうした流れを加速させた大きな理由のひとつが、デニムの加工技術の進歩。80年代初頭に生まれた、生地を柔らかくし石を使って自然に色あせた感じを出すストーンウォッシュから、バブル全盛とともにアシッドウォッシュ(ケミカルウォッシュ)がブームに。1980年:サラ・ジェシカパーカーGetty Imagesサングラスをしていてもあどけなさが伝わってくるのは、サラ・ジェシカパーカー。おしゃれ番長の実力はすでにこの頃から!やや色落ちしたブルーデニムをロールアップした足元は、白いソックスがポイント。タキシードジャケットをコーディネートするのは、当時としては上級テク。1988年:マドンナGetty Imagesマドンナもまた80年代を代表するファッションアイコン。エアポートスタイルは、ライダースジャケットとダメージデニム。1988年:ダイアナ元妃Getty Images幼いウイリアム王子とポロ大会に訪れたダイアナ元妃は、紺ブレにストレートデニムをブーツインして。美しいデニムの好例。90年代:古着のような経年変化を楽しむ象徴的な出来事:湾岸戦争、ユーロ登場ファッション・キーワード:スーパーモデル、ファッションスナップデニム・トレンド:古着、ストレッチデニムGetty Images1999年、カルバン クライン ジーンズのビルボードを飾るケイト・モスヒップホップやグランジといった音楽の流行と呼応して、ミディアムウォッシュやライトウォッシュにダメージを加えたデニムがお目見え。色落ちや汚れなどで経年変化を味わう“古着”に価値を見出しはじめた。いま「マムジーンズ」と呼んでいる、ライトウォッシュでハイウエスト、腰回りのゆったりしたワイドデニムは、実は、この頃が原型!上半身はブラトップだけ、やわらかそうなデニムが体のラインをそのまま映し出す。そんなビジュアルが印象的だったのが、95年カルバン クラインがケイト・モスを起用した広告。スタイルの良さを強調するような80年代のブルック・シールズと異なって、デニムスタイルも表情も等身大。ストレッチデニムの登場だ。1990年:レラ・ローションGetty Imagesオフショルダーのミニトップに、裾をロールアップしたミディアムウォッシュのバギーのコーディネートがキュート。映画『ため息つかせて』にも出演した女優のレラ・ローションのスナップから。1991年:ブルック・シールズGetty Images80年代前半、カルバン クラインのブルーデニムを纏った長い脚で世の中を魅了したブルック・シールズは約10年経って、ライトウォッシュのバギー、いまで言う「マムジーンズ」にトライした。1991年:ドリュー・バリモアGetty Imagesすでにヤングセレブとして注目されていたドリュー・バリモアは、どうやら、デニムが好きだった様子。90年代はマムジーンズ、ショートパンツ、マキシスカート、Gジャンとさまざまなタイプを愛用していた。こちらは、ダメージの入ったライトウォッシュデニム。クロップトのカーディガンにルーズにデニムをはいて、でも、真っ赤なリップで。このバランスがチャーミング!1992年:パトリシア・アークエットGetty Images映画『トゥルーロマンス』(93年)でブレイク直前のパトリシア・アークエット。リボン、ドット、リップ、そしてネイルまで赤!ダメージデニムとのバランスを計算して、個性を最大限に引き出して。1994年:ケイト・モスGetty Images95年、カルバン クラインのジーンズの広告に登場直前のケイト・モスは、短めのトップスにストレートブルーデニム。1997年:ケイト・ハドソンGetty Imagesデビュー直前と思われるケイト・ハドソン。90年代後半に大流行した、トミー・ヒルフィガーのデニムをはいて。たくし上げたトップスとヒップハングのデニムで、ウエストラインをちら見せ。1997年:ステラ・テナントGetty Imagesノーブルな雰囲気が魅力だったステラ・テナント。Gジャンをはおって、ショーに向かう様子。Gジャンのサイズがやや小さくなってきた頃。00年:セレブスタイルの象徴はローライズ象徴的な出来事:アメリカ同時多発テロ事件、リーマンショックファッション・キーワード:セレブ、ストリートカルチャーデニム・トレンド:ローライズ、ボーイフレンドGetty Imagesバギーをヒップハングで、スキニーをローライズで、セレブからストリートまでみんなおへそを出してセレブという言葉とともに時代に新しいインパクトを与えたのが、ローライズデニムの出現。どこまで下がってしまうの……、というくらいのスーパーローライズをパリス・ヒルトンやブリトニー・スピアーズ、リアーナたちが堂々とはいていた。シルエットはスーパースリムからブーツカット、ベルボトム、ボーイフレンドまでバリエーション豊富。タイニーなミニトップを合わせて、肌の露出も加速……!2000年:クリスティーナ・アギレラGetty Imagesタイニーなタンクトップにヒップハングのデニムスカートのアギレラ。マキシ丈のスカートにはセンターに切り返しが入っている。70年代の雰囲気を漂わせて。2001年:ジェシカ・シンプソンGetty Imagesジェシカ・シンプソンはミディアムウォッシュのブーツカットタイプを。ウエストと裾の切りっぱなしが特徴的。2003年:パリス・ヒルトンGetty Imagesローライズデニム全盛の当時、パリス・ヒルトンみたいに多くの女性たちもトップスにこうしたレーシーなキャミソールをチョイス!2008年:レナ・ゲルクGetty Imagesモデルのレナは、ライトウォッシュでゆるめストレートのローライズ。過激だったローライズデニムのスタイルがだんだんきれいめへと移行しはじめた気配。10年代:目まぐるしく変化するデニムトレンド象徴的な出来事:インスタグラム開始、アラブの春、東日本大震災ファッション・キーワード:エフォートレス、インフルエンサーデニム・トレンド:ハイウエスト、マムジーンズGetty ImagesSNSの登場でファッションシーンにも大きな変化が。自ら情報を発信するインフルエンサーたちが人気にもはや、女性たちのワードローブにデニムは空気のような存在に。つまり、なくてはならいもの。ウエストの位置は上がったり下がったり、シルエットはスリムになったかと思えばワイドが戻ったり。トレンドスタイルの入れ替わりがスピードアップするなか、目新しかったのはブラックスキニーの登場。そして、ハイウエストデニムにトップスをインしてスタイルアップ効果の重視が主流となったこと。どんなタイプのデニムをチョイスしても、コーディネートの完成形はきれいめに。次からご紹介するように、2015年だけを切り取っても、ファッションアイコンたちはいろんな履きこなしを実践!2015年:リアーナGetty Imagesリアーナはダメージの入ったボーイフレンドデニムをヒップハングで。シャツから素肌をのぞかせ、足元にはファーサンダル。肌見せは、露出感より“抜け感”を感じさせて拍手!2015年:ケンダル・ジェンナー&ヘイリー・ボールドウィンGetty Imagesケンダル・ジェンナーはディストレストのデニムミニスカート。3年後にジャスティン・ビーバーと結婚することになるヘイリー・ボールドウィンは、ブラックスキニーデニムでオールブラックを完成。2015年:クリステン・スチュワートGetty Imagesクリステン・スチュワートもスリムのブラックデニムで。ライダースとアディダスのシューズで、全体をミニマムにまとめてクールな印象。2015年:キャサリン妃Getty Imagesポロ大会に訪れたキャサリン妃とジョージ王子。キャサリン妃はボーダーのプルオーバーにストレッチブルーデニムでカジュアルに。振り返ればダイアナ妃もウイリアム王子とポロ大会に現れたとき、デニムスタイルだった。ロイヤルファミリーがアウトドアでリラックスするシーンにデニムはマスト⁉2015年:ジジ・ハディッドGetty Imagesやや大きめサイズのGジャンに星形の装飾入りマムジーンズという、デニム・オン・デニムスタイルを復活させたジジ。ややこってり気味のコーディネートには、ロールアップした足元にシンプルな白いスニーカーを合わせて、“抜け感”を演出。2015年:アレクサ・チャンGetty Imagesおしゃれセレブのアレクサ・チャンは、デニムブランドとコラボしたコレクションを発表。やわらかな質感のデニムで作ったスモック風ワンピースがヒット!2019年:カイア・ガーバーGetty Imagesカイア・ガーバーがオフホワイトのニットに合わせたのは、ストレートのブルーデニム。あらゆるデザインやシルエットがチョイスできるいまだからこそ、シンプルなスタイルがいっそう新鮮に映る。次の時代が、デニムに新しい価値観を求めていることを予感させる。20年代:デニムはサステナブルへ象徴的な出来事:BLM運動、コロナパンデミックファッション・キーワード:サステナビリティデニム・トレンド:アップサイクル、トレサビリティGetty Imagesリサイクルするために回収されたデニムやTシャツ2015年に国連サミットで決められた「SDGs」は、もちろん、ファッション界にとっても大きな課題。なかでも、デニム作りは大量の水や合成染料、化学薬品を使用。ダメージ感やテクスチャーを追求すればするほど、酸や酵素、漂白剤などを多用するという皮肉なことに陥っていた。けれど、いま、こうしたデニムのネガティブな面を払拭するべく、ゲスやザラ、AG、リーバイス、ギャップ、シルバーレイク……などがさまざまな取り組みを進めている。環境負荷の低減や長く着られるような耐久性を追求したり、オーガニックコットンや100%生分解性のファブリックを選んだりと、今後こうした取り組みはますます広がっていきそう。同時に重要なのは、デニムを纏うわたしたちの意識。インフルエンサーたちはいち早く、その姿勢を表明。2020年:ケンダル・ジェンナー青空の下、愛犬と一緒のケンダル・ジェンナー。白いトップスにダメージの入った白のスリムデニムでのびのびリラックス。2021年:ソニア・ライソンGetty Imagesインフルエンサーとして注目を集めているソニア・ライソンは、ザラのディストレストデニム。ザラの取り組みに一票投じたということなのかもしれない。上質そうなシャツにシャネルのバッグ、そしてバンズのスニーカー……、長く愛せるアイテムをチョイス。2021年:ヘイリー・ビーバーダンガリーシャツでデニム・オン・デニムスタイルを公開したヘイリー・ビーバー。ボトムはリーバイス501オリジナルのよう。Related 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